台風の後の山道調査

台風11号が通り過ぎた翌々日に、いつものルートの山道調査に出る。

七曲りは後日とし、今日は地獄谷、ロックガーデン、キャッスルウォール、荒地山、横池、八幡谷の様子を見に行く。

ついでと言っては何だが、新しく買った靴の具合も確かめる。

6年ほど使っていたバスクのシリーズが、どうしようもないほど変わってしまった。

諦めて、新しくモントレイルにした。

トレランシューズの老舗であり、実績があるので心配はしてないが濡れた岩などのグリップはどうだろうか心配だった。

地獄谷に入る堰堤はやはり水がたまっていた。

南西陵に入るのはめんどうだろう。

しかし地獄谷に入る部分はさほど水は無かった。

左岸は水の勢いが強かったので、右岸のガレから登った。

地獄谷は水が多い。しかし崩れたところなどは見当たらない。

入口の滝で一人で写真を撮っていたら、いつのまにか3人の若いハイカーが居た。

登る邪魔をしてしまったので、先にどうぞと言い、滝の前で写真を撮ってあげましょうかと言ってあげた。彼ら3人を滝の前に立たせて記念写真を撮る。

自撮りするときは、傍から見て、ひとりで何をやってるんや!っという風に見えると思うので恥ずかしかったので照れ隠しである。

新しい靴は快適でサクサク濡れた岩を登れる。

濡れて滑ったが、いつもの岩にも5回目かで登れた。これなら大丈夫だろう。

キャッスルに向かう途中、イノシシの母親が子どもに乳をやっているところに出た。

ゴメンね、写真撮らせてねっと心で言って写真を撮った。

けど、せっかく台風が静かになって、落ち着いて乳をやっていたのところ、へんなオッサンがバタバタしたのは大迷惑だったろう。

こちらに顔を向けたのでゴメンっと言って先を下る。

高座谷ではキャッスルの取り付きの手前、左岸が崩れていた。

僕はだいぶ手前から高座谷に下るので関係ないが、荒地山第二堰堤からキャッスルに来るハイカーは気を付けないといけないかも知れない。

キャッスル左横の崖は少し濡れて登るのに気をつかったが、特に岩が浮いているとかは無かった。岩山はとてもしっかりしている。

岩梯子から荒地山へ上る。ここもしっかりしていて台風の雨風の影響はないと思われる。

そう考えると先の震災はよほどのことだったのだろう。

七衛門倉は跡形もない。

横池に出てビックリした。

水の部分がとてつもなく大きくなっている。

いつもは見える、西側の岩が完全に水没している。

池を眺めてると「前さん違いますか?」と聞きなれた声がした。

声の方を見ると見知った顔があった。

I君とはよく山で会う。一度知り合いのガイドさんといっしょに、凍る白石谷にも行ったこともある。実に気のいい奴である。今は会社の仕事で六甲を離れているが久しぶりに戻ってハイキングに出てきたらしい。

「八幡谷はすごいことになってますよ」っと写真を見せてくれた。

横池も熊笹を抜ける道が水没していた。

ズボンを腰まで濡らし抜けると雄池は水と木の枝でどこまでが陸地か分からなくなっていた。岸の近くの大きな岩も水没していた。

八幡谷は木漏れ日広場周辺がビックリするほど荒れていた。

一部、道が崩れて通りにくくなっている。

よくボーイスカウトの子供たちを連れていく道なので困ってしまった。

秋のハイキングのシーズンまでに何か対策を考えなくてはならない。

出口の滝の社も無事だった。

いつもは水が無い滝が、勢いよく流れている。

新幹線の工事が始まるまではとても水量が豊富だったと、地元のボーイスカウトの先輩に教えていただいた。

その時は今日と同じぐらい水が流れていたのだろう。

とても威厳がある風景である。

個人的にはこの場所はいつもこれぐらい水が流れていてほしい。

そうすればまた以前のように滝行が出来るかもしれない。