盲目のハイカー

新しいルート(地獄谷~B懸尾根~キャッスル~荒地山~雨が峠~黒岩谷西尾根~山頂~迷いの森~B懸尾根~地獄谷~西南陵~八幡谷)もこれで3週目。

だいぶ慣れてきた。

登りはゆっくり目。

いつもの岩を登りつつ、あまり時間を気にしないよう登った。

先週、先々週は帰りの地獄谷のお蔭でずっと緊張していた。

とにかく二回、何とか延長したルートをこなせたので、今日は心にも余裕があった。

そのせいか無理なく登れ、時間も地獄谷から山頂までいつもより早い2時間26分。

走れるとこは走りもし、楽しみながら登れた。

今まで気が付かなかったけど、なかみ山の山頂(と思う)にこんな標識があった。

木に直接書くのはダメですが、ここがなかみ山の山頂なんだ。

今日も混雑する七曲りを避け、黒岩谷西尾根へ・・・

急なところもあるけど、登りはメリハリがあって登りやすい。(下りはとんでもなく怖いけど・・・)

今日も静かで一人のハイカーの影も無し。賑やかな七曲りも楽しいけど、だんだんこのルートが好きになってきた。

下りは七曲りで。

途中スズメバチで大騒ぎしていた小学生の団体があった。

蜂は黒い服の子どもに寄って来てた。

刺激させないように子どもたちに言って、蜂を僕の方に誘導する。

いったんは僕のズボンに止まったけど、すぐに飛んで行った。

B懸尾根を下っていると、途中ですごい停滞。

でもなんか様子が変だ。いやにゆっくりしている。

近くに行きビックリ。目にハンデがあるハイカーのグループ。

そしてそのハイカーをフォローしている人たち・・・

話を聞くと全盲の方が4人。そしてそれぞれバディを組みフォローしている人たち。

確かに健常者に比べれば足運びはゆっくりだけど、的確な場所に足を置き、岩場をまるで目が見えるように歩かれている。フォローされている方々の力量はたいしたもんだ。

また実際に暗闇の中と同じ状態でも楽しみながら歩いているハイカーの方々にも敬意を表する。

ハンデを持ってながら、危険でもあるアウトドアに出ることについては賛否はあるだろう。

実際今日も、一人しか通れないところで停滞されて先に行けず困ったことは事実だ。

僕もなんとも言えないが、とにかく今日はすごい方たちにお会いできた。

もし地獄谷に降りられるなら僕もフォローさせてもらおうと思ったのだが、聞くと梅谷第二堰堤から地獄谷を遡り風吹岩に出られるとのこと。(それもかなりすごいと思うのだが・・・)A懸で別れ僕は地獄谷下降に向かう。

地獄谷もだいぶ慣れきて、そんなにビビりながら下らなくすんだ。

また、ゆっくり冷静に道をたどった方が時間も早くすむ。

水が少なくなってきたせいもあるが靴やズボンもまったく濡れなかった。

西南陵も今度は足をつらずに登り、八幡谷はゆっくり走り下りた。

地獄谷から滝の八幡様までの時間は5時間50分。先日より5分短縮。

全盲のハイカーの方々に力をいただいた。